i
シネマカルチャーCinemaCulture NEWS






■ニュース!NEWS! 
フランス映画界の重鎮 アニエス・ヴァルダ監督が3月29日(現地時間)逝去 享年90歳



若き日のアニエス・ヴァルダ×ジャック・ドゥミ夫妻
「パリ・マッチ」誌1965年のアーカイヴ記事
©Paris Match

■ヌーヴェルヴァーグを代表する映画監督で写真家でもあったアニエス・ヴァルダが3月29日(現地時間)、地元フランスのパリで亡くなった。死因はガンと伝えられる。1928年生まれの90歳だった。

■長編デビューは1955年にフィリップ・ノワレ×シルヴィア・モンフォール主演で撮った『LA POINTE-COURTE』。その後2作目の『5時から7時までのクレオ』(62年)がカンヌ映画祭でパルムドールにノミネートされ、続く『幸福(しあわせ)』(65年)もルイ・デリュック賞やベルリン映画祭銀熊賞を受賞し一気に注目された。
夫は1962年に結婚したジャック・ドゥミ監督(90年逝去)。ドゥミも当時『シェルブールの雨傘』や『ロシュフォールの恋人たち』といった異色のミュージカルを次々発表して売出し中の気鋭。夫婦ともどもカンヌ映画祭の顔だった。

■海外でもイギリスのガーディアン紙やBBCニュースなどが一斉に追悼特集を組んだ。なかでもフランスの老舗週刊誌パリ・マッチは、古くからの取材力を活かし若き日の貴重な写真を多数掲載している。ヴァルダとドゥミがミシェル・ルグラン(今年1月逝去)夫妻らと、カンヌで楽し気に踊る様子などは、彼らがいかにその中心にいたかが伝わってくる。

■ヴァルダは昨年のフランス映画祭横浜で、若手フォトアーティストのJR(ジェイアール)と組んで制作した『顔たち、ところどころ』を出品。残念ながら同映画祭は欠席となったが、その1か月前のカンヌ映画祭には出席している。そのときに審査員長ケイト・ブランシェットの提案で行われたウイメンズ・マーチにも参加。これはカンヌで女性映画人が不当な扱いをされてきたことに対する抗議の表明。写真をよく見ると最前列でブランシェットと腕を組んで行進しているのはヴァルダ監督だ。女性監督のまさに草分けの最後の雄姿だった。

■なお、4月6日(土)から2週間にわたりアップリンク吉祥寺で「アニエス・ヴァルダ監督追悼特集上映」が組まれている。上映作品は『顔たち、ところどころ』『ジャック・ドゥミの少年期』『幸福(しあわせ)』『5時から7時までのクレオ』の4作品に、ジャック・ドゥミ監督の『ローラ』を加えた5作品。

(2019年4月1日 Text by NorikoYamashita)

                                                      



  映画ファンのための映画サイト
   シネマカルチャーdigital

Powerd by Contrescarpe(1998-2006 Cinema-joho.com/2017- CinemaCulture)
Copyright(c)Contrescarpe/CinemaCulture.All rights
reserved.
問合せ: info@cinemaculture.tokyo